就労制限のない外国人を採用
インド、スイス、チリ…国籍も多彩
支援内容
採用方法のご提案・マッチング機関への取りつなぎ支援
業種 | 卸売業(海外の古着・アンティーク家具・雑貨等の販売) |
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社名 | 株式会社JAM TRADING |
住所 | 大阪市浪速区元町1丁目7番21号 |
URL | https://jamtrading.jp/company_site/index.html |
従業員数 | 343名(内、外国人材10名) |
資本金 | 3,000万円 |

人材紹介

お名前 | ガフィオ・マキシムさん |
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国籍 | スイス |
在留資格 | 日本人の配偶者等 |
職種 | オンラインショップ商品準備スタッフ |
入社日 | 2024年3月 |
入社経路 | 外国人材専用の求人媒体 |

お名前 | ニロファーカユム・ムクリさん |
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国籍 | インド |
在留資格 | 家族滞在 |
職種 | オンラインショップ商品準備スタッフ |
入社日 | 2023年7月 |
入社経路 | 外国人材専用の求人媒体 |
ビンテージでは国内トップクラスの扱い量

JAMトレーディングは2002年、海外から仕入れた古着の店をアメリカ村にオープンして以来、実店舗とECで販売を広げ、事業を拡大してきた。「特に海外から仕入れたビンテージではトップクラスの扱い量を誇ります。アメリカの架空の街ジャムタウンをイメージした大型の店作りが特長で、幅広いラインナップをそろえ、古着初心者からビンテージマニアまで楽しめます」とEC倉庫部部長の三井政樹さん。
現在は「古着屋JAM」を主力に、レディスに特化した「エルル バイ JAM」、ロープライス&エコを切り口にした低価格ショップ「ロエコバイJAM」、また近年は無人店舗の 「ストッピー」の出店も増やしている。当初は大阪、京都が中心だった店舗網も東京、広島、名古屋、福岡、札幌などへ広がっている。
日本最大級の外国人採用サイトを活用
嗜好性が強いビンテージ古着の世界。「私が入社した2010年頃はまだSNSが普及していなかったこともあり、古着が好きでどん欲に知識も吸収したいという人が店にやってきて、ここで働きたいと言ってくれる人も多くいました。ただ、ここ数年は労働人口が減っている影響もあるのか応募する人も少なくなってきているのを実感しています」。
そこで、それまで目を向けていなかった外国人の採用にもチャレンジしてみようと考えるようになったという。「そもそも外国人をどのように採用してよいかどうかもわからなかった」ためネットで検索し、大阪外国人材採用支援センターの存在を知り、窓口に相談に出向いたという。センターの担当者から、在留外国人を採用できる日本最大級の外国人求人サイトを活用してみてはどうかとアドバイスを受け「これが外国人採用の突破口になりました」と語る。

試行錯誤の末、就労制限のない外国人を採用

同サイトではさまざまな在留資格を持つ外国人が登録されている。「当社で募集している職務内容の庫内作業は、特定技能の受け入れ職種に当てはまらず、就労制限のない外国人しか採用できないため、その方々も多く登録されているのがありがたいですね」と、採用を担当するEC倉庫部EC出品課ささげ係の係長、塩見恵さんは話す。
求職者登録を済ませた企業は、応募のあった外国人の中から希望する人とオンラインで面接を行うが、絞り込む際に便利なのが自己紹介動画視聴機能だという。「話している様子からおおよその日本語のレベルが把握できるので目安にはなります」。ただ、そこから面接に進んだ時には英語しか出てこない方もいるそうで「その場合は採用を見送っている」という。
また、ワーキングホリデーの在留資格を持つ外国人も採用したが「ワーキングホリデーで来られている方は半年や1年といったように期間限定なので、それもわかったつもりで採用はしたのですが、やはりやめられると穴埋めの人材を探さないといけないので、やめることにしました」。「留学生も採用したことがあり、卒業後もうちで働きたいと言ってくれたのですが、特定技能の職種にないことからあきらめざるを得ませんでした」
そうしたもどかしい思いや試行錯誤を重ねながらたどりついたのが、「永住者」「日本人の配偶者」「永住者の配偶者」「定住者」など就労制限がなく長期滞在する外国人だったという。
作業のマニュアル化が進んだことも採用のきっかけに
同社の庫内作業の仕事は、仕入れた服をサイズや状態のレベルで分けるほか、汚れたり、ダメージのある服については洗濯や消臭を行い、また出品するための商品の撮影、計測なども行う。同社ではこれらの作業について以前から標準化、マニュアル化を進めることで「できるだけ早く作業に慣れ、仕事を覚えられるよう取り組みを進めてきました」と三井さんは話す。こうした取り組みに手ごたえを感じることができたことも外国人の採用に踏み出すきっかけになったという。「だれでもできるのなら言葉の壁さえ乗り越えられれば外国人に働いてもらうこともできるのでは」と。
外国人を採用してからは、Google翻訳を活用してマニュアルを英訳したがほぼそれで間に合っているという。「細かいニュアンスについては、外国人にその都度確かめながら、わかりにくい表現についてはより簡単な言葉、表現に変えたことで、結果的に外国人だけでなく、日本人も含めたスタッフ全員にとってよりわかりやすいマニュアルへとブラッシュアップすることができました」と語る。
本人の希望があれば正社員への登用も
外国人採用に弾みがついたのは1人目に採用したインドネシア人のおかげでもあるという。「仕事ぶりが非常にまじめで、コミュニケーションもうまくいったので、外国人を採用することへの不安感が払しょくされました」。現在、同社で働いている外国人は6人にまで増えている。国もスイス、ドイツ、フランス、チリ、フィリピン、インドと多彩だ。
その1人、インド人のムクリさんは、夫の仕事の関係で来日し、日本での滞在は15年ほど。JAMトレーディングで働き始めて1年半ほどになる。「庫内の作業は難しくなかったですし、楽しく仕事をしています」と話す。社内の忘年会では手作りのインド料理をふるまうこともあるというムクリさん。「非常に気さくで誰とでも話ができるので、ムクリさんのおかげで社内の雰囲気が明るくなりました」と塩見さん。


スイス人のマキシムさんは日本人と結婚し、来日して2年が経つ。当初は日本語が全く話せなかったというが、現在では日常会話には全く不自由しないレベルだ。24年3月からJAMトレーディングで働き始めた。「社員の皆さんがとてもやさしく接しくれるので働きやすい」と語る。マキシムさんは、庫内作業の仕事だけでなく、商品の服をPRするためのモデルも務めている。
外国人の社員は今のところ全てアルバイトとして雇用しているが「本人の希望があれば正社員にも登用していきたい」と三井さんは言う。
昼の休憩時間には、外国人と日本人の従業員が談笑する姿も見られる。「日本人が混じる時は日本語で話していることが多いのですが、通じない時は英語で話している時もあります。英語を学びたい日本人の従業員にとっては格好の学びの場。英語の能力を磨いて、いずれは海外に買い付けに行けるくらいの能力を身につけられたらいいですね」と外国人採用の副産物にも期待している。

取材日:2024.12